宝くじ

クイズミリオネアを見ていたおじいちゃんが、夢を見るかのような遠い目で
「宝くじが当たるといいのにね。そうしたら、あなたの様な人を2人くらい雇って妻の面倒をみてやれるのになあ。」と言った。


特別老人ホームではなく、あくまでも家で看取りたいのだという。


「お金が幸福をもたらすとは思っていないけれど、お金があれば、妻にできる限りのことがしてあげられるからね。」


元、地元の小学校の教諭だった彼女。


アルツハイマーが進み、それでも
「まだ家で、面倒が見られるよね?」と聞くおじいちゃんの目が哀しかった。


なんと言ってあげればよかったのだろう。
言葉が見つからなかった。